基本概念

ここでは、Tencent Real-Time Communication(TRTC)のサービスのご利用中に触れる可能性のある基本概念についてご説明します。

アプリケーション

TRTCではアプリケーション形式で様々な業務やプロジェクトを管理します。TRTCコンソールで業務やプロジェクトごとに、それぞれのアプリケーションを作成することで、業務やプロジェクトのデータの隔離を実装することができます。1つのTencent Cloudアカウントにつき、最大100のTRTCアプリケーションが作成可能です。

SDKAppID

SDKAppID(アプリケーション識別子/アプリケーションID)は、Tencent Cloudのバックエンドで様々なTRTCアプリケーションを識別するために用いる固有の識別子であり、TRTC コンソールでアプリケーションを作成すると自動的に生成されます。異なるSDKAppID間では、データは相互運用されません。

UserID

UserID(ユーザーID)は、1つのTRTCアプリケーションでユーザーを固有に識別するために用いられます。
ユーザーIDは、ユーザーが開発者の業務システムにログインするアカウントをTencent Cloudにマッピングしたものです。通常、開発者は利用ユーザー名をUserIDとしてそのまま使用できます。
値の範囲の長さは32バイト以下にすることを推奨します。英字、数字またはアンダーバーを使用してください。大文字小文字は区別されます。

ルーム

ルームは、1つのオーディオ・ビデオ空間であり、同じルーム内のユーザーは、互いに相手のTRTCのデータを受信することができます。
TRTCは、ユーザー間の相互隔離のためにルームという仮想化の概念を使用します。
同じルーム内のユーザーだけがオーディオ・ビデオを相互に受信することができます。
1人のユーザーは、一度に1つのルームにしか参加できません。他のルームに参加したい場合は、前のルームから退出する必要があります。
ご注意:
ルームに最初に参加したユーザーがそのルームのオーナーとなりますが、このユーザーが自主的にルームを解散することはできません。
通話モードの場合:すべてのユーザーが自主的に退室したときは、バックエンドでルームが速やかに解散されます。
ライブストリーミングモードの場合:最後に退室したユーザーがキャスターロールの場合、バックエンドでルームが速やかに解散されます。最後に退室したユーザーが視聴者ロールの場合、バックエンドで10分間待ってからルームが解散されます。
ルーム内の1人のユーザーの接続が異常により切断された場合、90秒後にサーバーがこのユーザーを現在のルームから消去します。ルーム内のすべてのユーザーの接続が異常に切断された場合、90秒後にサーバーが現在のルームを自動的に解散します。ユーザーの接続が異常により切断された場合の待機時間は課金時間の集計に含まれます。
ユーザーが参加したいルームが存在しない場合、TRTCのバックエンドで自動的にルームが作成されます。

RoomID

RoomID(ルームナンバー/ルームID)は、TRTCアプリケーションでルームを固有に識別するために用いられます。RoomIDは、開発者自らによって維持され割り当てられるuint32範囲内の数字であり、数値は、1~4294967295となります。

UserSig

UserSi(ユーザー署名)とは、Tencent Cloudが設計したセキュリティ保護署名であり、ユーザーのログインと認証に用いられ、正しいユーザーかどうかを確認し、悪意ある攻撃者がお客様のクラウドサービス使用権限を盗用するのを防止します。詳細については、UserSigに関するご質問をご参照ください。

プッシュ

プッシュとは、ユーザーがローカルのオーディオ・ビデオデータをTRTCサーバーにアップロードする操作をいい、これは「プッシュストリーム」に対応します。

サブスクリプション

サブスクリプションとは、ユーザーがTRTCサーバーに対し、指定されたユーザーのオーディオ・ビデオデータのプルをリクエストする操作をいい、これは「プルストリーム」に対応します。

ロール

TRTCは、キャスター(TRTCRoleAnchor)と視聴者(TRTCRoleAudience)という2つのロールをサポートしています。2つの違いは次のとおりです。
キャスターロールでは、サーバーに自らのオーディオ・ビデオデータをプッシュするだけでなく、サーバーから他のキャスターロールのオーディオ・ビデオデータをサブスクリプションし、再生する機能もサポートしています。
視聴者ロールは、サーバーからキャスターロールのオーディオ・ビデオデータをサブスクリプションし、再生する機能のみをサポートしています。
通話モードでは、ルームに参加したすべてのユーザーがキャスターロールとなります。ライブストリーミングモードでは、実際の業務シーンに応じて、ルームに参加したユーザーをキャスターと視聴者という2つのロールに分けることができ、同じユーザーでもいつでもロールを切り替えることが可能です。

CDN relayed live streaming

CDNライブストリーミング、別名「CDN relayed live streaming」といいます。TRTCはクラウド上でバイパストランスコードクラスターを使用して、TRTCが使用したUDPプロトコルを標準のライブストリーミングRTMPプロトコルに変換し、TRTCのオーディオ・ビデオデータを標準のLive Video Broadcasting(CSS)システムにプッシュしてから、CDN経由で配信します。これによって、CDN relayed live streamingを実装します。詳細については、CDN relayed live streamingの実装をご参照ください。

クラウドレコーディング

TRTCではRelayed Pushの方式を採用しCSSの機能を利用して、トータルなクラウドレコーディング機能(録音/録画)を提供します。さらにレコーディングしたファイルをVODのプラットフォームに保存して、レコーディングプロセスの信頼性と即時性を確保します。詳細については、クラウドレコーディングと再生をご参照ください。

Cloud MixTranscoding

CDN relayed live streamingクラウドレコーディングなどのユースケースでは、TRTCルームにおける複数のオーディオ・ビデオストリーミングを1つのチャネルにミックスする必要がある場合があります。TRTCクラウドサービスのバックグラウンドにあるMCUミクスストリーミングトランスコードクラスターによって、この作業を完了することができます。MCUクラスターは、複数のオーディオ・ビデオストリーミングを必要に応じてミックスし、最終的に生成されたビデオストリームをライブCDNとクラウドレコーディングシステムに配信することができます。詳細については、Cloud MixTranscodingをご参照ください。

ダム端末

ダム端末で視聴者が入室しストリームをプルした場合、他のSDKからは認識されません(ダム端末の入退室イベント通知はリモートで受信できません)。